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【Interview】Derailment、2nd音源”Electric Sand”をリリース

2009年、千葉を拠点に高校の同級生たちが集まり結成。2012年には1stアルバム”Start from Ground"をリリースしアンダーグラウンドながらも確固たる信念のもと活動を続けてきたDerailment。2020年5月10日に8年ぶりとなる正式音源”Electric Sand"をリリースする彼らに、初のインタビューを敢行した。

                        

                      (取材・文:Zamohfied)

 

 

──メンバー構成について。

Ryosuke「ギターを弾いてるRyosukeです。今日は来てないけど、俺の他にギターのTetsu、ベースのShuji、あとドラムがKohsukeです。」

マサシ「ボーカルのマサシです。Derailmentは5人でやってます。」

 

──バンド結成の経緯について聞かせてください。5人とも同級生だよね?

Ryosuke「そう。てか全員知ってるでしょ?(笑)(※メンバーは筆者とも同級生) 全員高校の同級生で、軽音部。部活ではJポップのカバーとかをやってたんだけど、俺とマサシがハードコアにはまったタイミングでオリジナルをやろうってなって。」

マサシ「最初はハードコアをやるつもりだったよね。周りに誰もそういうの聴いてる人がいなくて、9㎜とかラウドなのが好きだったShujiとKohsukeを無理やり捕まえて。」

Ryosuke「9㎜もルーツはハードコアだから!とか適当なこと言ってね(笑)それで4人で始めたのが最初です。」

 

──Tetsuが加入したのは結構後だったよね?

マサシ「1stをだす少し前だったかな。高校卒業して久々に飲んでるときに音源聞かせたらやりたいって言いだして。ちょうどギター二本ほしいねって話してたとこだったから。」

 

──バンド側からそういう情報を全然発信しないから(笑)ギターが二本になったのはやっぱり音楽性の変化で?

Ryosuke「そう。始めたころからやりたいことが結構変わって、やっぱりギター二本でバッキングの厚みが欲しいなってことになって。Tetsuは昔からメタルばっかり聞いてたからその辺は適任だろうということで。それで5人でアルバムを録って、出すときに改名して。」

 

──昔はDerailment Boysって名前だったよね。バンド名の由来と改名の経緯については?

マサシ「Derailment Boysってバンド名は、親父がつけたようなもん。父親がすごく堅苦しい人で、バンドなんてやってるやつはろくな未来がないぞと。脱線する前にもう少しましなことやれって言われたんだけど、やめたくなくてそれをバンド名にした。」

Ryosuke「当時は4人で脱線ボーイズとか言って面白がってたよね(笑)」

マサシ「ただアルバムを出す段になって、ちょっと音楽性とバンド名が合ってないなって話になってBoysは取った。~~mentってデスメタルのバンドみたいでいかついなとか思ってた。」

Ryosuke「こう考えると完全に響きでしか決めてないね。」

 

──では今回の音源について聞いていこうかな。サウンド面ではハードコアの要素もあるけどストレートなロックだったり、ポストパンクだったりいろんな影響が垣間見えます。音楽性についてはどういう流れで今のスタイルになったの?

Ryosuke「メンバーのやりたいことをそれぞれ詰め込んでいった感じかな。さっきも話した通りハードコアがやりたくて始めたバンドだけど俺とマサシ以外はハードコア別に好きじゃないし、やりたいことやり始めちゃって。」

マサシ「全員のやりたい共通項って何だろうっていう話をしたときに、結局『ロック』とかいう漠然とした言葉に落ち着いちゃった。今回の音源は俺らなりのロックのつもりで。」

 

──歌詞とかアートワークとか、音以外の部分にもその変化は表れてる?

マサシ「現れてるね。初期はやっぱり『ハードコアとは』みたいなことを意識して作ってたから、何かに反発するような内容が多かったかな。1stのころはその名残があって、タイトルなんかも”Start from Ground"、俺たちは地べたから始めるぞ、みたいな感じだったし。アートワークもかっこいいと思ってたハードコアの真似をしてライブ写真を多用したりね。」

 

──確かに初期はだいぶスポーティな印象だったよね。今回のアルバムタイトル”Electric Sand"はどういう意味?

マサシ「ロックの人たちってElectricって単語好きじゃん(笑)Electric Lady Land(ジミヘンのアルバム)とかElectric Funeral(ブラックサバスの曲)とか。だから、ロックをテーマにしたときにElectricって単語は使おうと思ってた。」

 

──Sandは?

マサシ「俺らもキャリア10年を超えて、若い世代に影響を与えられる音源を作ろうと思って。砂って一粒は小さいけど、たくさん集まって地面になってそこから花が咲けばいいなみたいな。」

 

──確かに3曲目”Black Milk"では若い世代に流行ってるTrapも取り入れたりしているよね。

Ryosuke「そう。それは聞く人の層を限定したくなくて、古き良きロックの雰囲気はベースにしつつ新しい音楽のエッセンスを取り入れるって意識で。」

マサシ「Kohsukeがヒップホップ好きで、一人でビートを作ってたりもするから上物を作ってもらって。ドラム音とかのフレージング自体もTrapに寄せてるね。これもメンバーの好みを取り入れた結果をロックって言い張ってる感じ(笑)」

 

──そうやっていろんな音楽を取り入れることに対して衝突したりはしないの?

Ryosuke「絶対NGな時だけそれはやりたくないって言う感じかな。」

マサシ「Shujiがファンク嫌いだから俺らの音楽には基本的にファンクの要素は入らないよね。絶対やりたくないのだけ避けて最大公約数を探してる感じ。」

Ryosuke「5曲目”Stone Masses”でちょっとカッティングしたらすぐばれた(笑)でもフレーズ的に絶対入れたかったからフレーズを変えて妥協してもらった。」

 

──数秒のワンフレーズまで全員納得の上で作りこんでるんだね。

マサシ「全員やりたいからやってるメンバーだからね。やりたくない要素が出てきちゃうとつまんなくなっちゃうから。よく言えば納得、悪く言えば妥協。」

 

──(笑) リリースが楽しみになってきた。今後の予定は?

Ryosuke「コロナの影響で決まってたライブは全部キャンセルになっちゃったけど、落ち着いたらリスケしてリリースツアーを回るつもり。場所はもう決めてて、東名阪と北海道沖縄。」

マサシ「単純にみんなで旅行したいっていうね。」

 

──学生のころから仲良かったもんね。最後に個人的に気になってるから聞くけど、マサシだけなんでカタカナなの?

マサシ「日本人だから。ほかの表記ができるのにローマ字で表記するのがどうしても恥ずかしくてカタカナで書いてます。」

Ryosuke「一人だけカタカナのほうが恥ずかしいと思うけど。」

 

──(笑) ライブできるようになった後のツアーを楽しみにしつつ、今回はここで締めさせてもらいます。ありがとうございました!